出会い

出会い

昨日は飲み過ぎてしまったようで、目が覚めた瞬間ひどい頭痛の仕打ちを受ける。
今日は土曜日なので、調子に乗って飲んでしまった。
まぁ、毎度のことなのだが、この二日酔いと戦っている土曜日のこの感じが案外す好きだ。
時間がもったいないのは承知のことだが、このゆるい感じ。

ベッドで、スマホのニュースやゲームをしながらゴロゴロとする。
たまに干してあるシャツの隙間から逆光が入り目が眩む。
隣の家から猫の鳴き声がする。

こんな些細なことまでが楽しいのである。
そろそろ起きないと本当に社会不適合者になってしまうなと思い、思い腰を上げ昼飯の準備に取り掛かる。
冷蔵庫を開けると、食材があまり無い。

仕方がないので、ボサボサした髪を軽くまとめて近所の寂れたスーパーへ散歩に行く。
今日は焼きそばの上に目玉焼きを乗せよう。
そう思い、焼きそばと卵、そして牛乳を買ってきた。

彼女がいればもっと楽しいんだろうが、現実世界、ここ福島には出会いなどないわけで・・・。
友達もいないもんだから合コンにも誘われず。
誘われるのは会社の飲み会(野郎ばかり)なのだ。

まぁ、彼女がいたらいたで面倒臭い気がするので、当分いいかなとも思っている。
気ままに面白いテレビやネットゲームをして、生きていこう。そう思っていたのである。

夜、風呂でも入ろうかと思った時、遠くから花火の音がした。
今日はどこかで花火大会でもやっているのだろうか?
ふと、1人で行った見たくなった。

すぐにネットで調べると、福島の今日は福島の花火大会のようだった。
阿武隈川でやっているようだったので、自転車で見に行くことにした。
花火大会会場に近づくにつれて、人が多くなってくる。
打ち上げ場所の近くは多くの出店が連なっている。

「福島市民ってこんなにいるのか?」

と思うほど人がごった返している。
家族づれやカップルしかいないではないか。

私はあるビルの屋上へと向かった。
以前発見した特等席だ。

コンビニでビールとつまみを買い込み、特等席に座ると、前面には大パノラマの花火が広がる。
今年もいい花火大会を見ることができた。

ふと周りを見てみると、1人のヨボヨボしたおじいちゃんが空を見ている。
そう、この屋上には私とこのおじいちゃんしかいないのだ。
花火大会が終わると、あたり一面静かになった。
下界では見物客がぞろぞろと帰る音がする。

帰りしなおじちゃんに声をかけてみた。

「こんばんは〜」
「あなたはここの住人ですか?」

と聞いてきたので、違う旨を伝えると、私のことがとても気になっているようだった。
そして駅前の大体の住んでる場所を告げると、驚いたような表情で、こう言ってきた。

「私の管理しているアパートかな?」
「もしかして〇〇アパート?」

私は図星で驚いた。
この方は私が住んでいるお気に入りのアパートのオーナーだったのだ。

管理人マサ